乃里子シリーズ

言い寄る (講談社文庫)

言い寄る (講談社文庫)

私的生活 (講談社文庫)

私的生活 (講談社文庫)

苺をつぶしながら (講談社文庫)

苺をつぶしながら (講談社文庫)

「言い寄る」を読んでいる時から
なんでこんなに女心の描写がうまいんだ〜と
ハラハラ・ドキドキしながら読みふけってしまった。
これが20年も前に書かれた本だなんて!と感心する。

フリーのデザイナーで自由な一人暮らしをしている31歳の乃里子。
言い寄られることも多い乃里子だけど
五郎の事となるとあまりに好きすぎてどうしようもできないという。
そんないじらしいほどの気持ちが伝染してしまうし、
最後は親友の美々に最愛の五郎を盗られてしまうのだけど
その美々もなんだか憎めない。
人間がみんな魅力的に描かれているからなんだろうな。

「私的生活」は五郎への想いが敗れた乃里子がお金持ちの剛と
勢いで結婚してしまった後の結婚生活。
お金持ちの生活を剛と楽しみつつも金持一族に馴染めない。
そして気分屋の剛の為に自分を抑えて演じつつ暮らしていたことに気づき
自由な1人だけの生活に戻ることを決意する。
なんだか結婚生活の難しい部分が本当に良くわかるんだよね。
自分が無くなってしまう感じ…すごく切なかった。

「苺をつぶしながら」
…現在読みはじめたところ。
離婚後の乃里子の物語。

さらっとした文章で読みやすいんだけど
すごく深いです。